雑感

黒の器

抽象的な文字を積み重ねるということは自分にとって非常に重いことである。 それというのも自分は日頃から手帳に言行を黒々と記す癖があり、その黒々とは単なるインクの染みであることがほとんどであるからだ。 そして何を期待しているのかわからないが、形…

十年

古びた畳と本。カチカチと少々耳障りな秒針。防虫剤に添えられた絹の、箪笥から洩れ出す鼻をつく穏やかな匂い。何もかもがとまっているようでいて、雀の鳴き声が部屋を清冽に蘇らせた。 十年前と一致する記憶に安堵した。 変わったね、変わったねという言葉…

疲労と余暇

私は病欠をした、久々に高熱で身体的な苦痛を味わった。けれど、そのおかげで四日間の休日だった。 今日は「親指シフト」というキーボードの打ち方があることを知り、暇があった私は買い物に出かけた後、その打ち方を実践していた。 普段なら間違いなく時間…

血と内面

私は内面の世界から遠ざかっている。仕事の都合上、私は回路を流れる血を見ることがある。けれども、自分には流れていないかのように一瞥してそれきりだ。より正確に言えば自らに血が流れていることが自然であるために忘れている。忘却の上に皮膚、産毛が覆い…

社会人失格

utsuroshizuku.hatenablog.com 私はうえにあるように社会人失格らしい 過剰に保護され、同期と比較され同情の目を向けられている。 仕事は片手間にできるだろうと思っていたが、私の場合は上手くいかなかった。 普段からふとしたときにぼーっとしてしまうこ…